台湾人から尊敬される日本人!八田與一が建設した「烏山頭ダム」
台南市官田区に大きなダムがあります。ここは「烏山頭ダム」。台湾の日本統治時代に日本人技師の八田與一さんが設計、建設したダムです。1920年から建設開始、1930年に完成。その規模は当時東洋一でした。雲林から台南、高雄にかけて広がる嘉南平原は当時、作物が育たない不毛の地でしたが、烏山頭ダムの完成により台湾最大の穀倉地帯に姿を変え、嘉南平原に住む人々の生活を豊かにしました。その功績が称えられ、八田さんによるダム建設の経緯は台湾の学校で使用する教科書でも紹介され、現在でも台湾人から尊敬される存在となっています。ダム一帯は観光客に開放され、人気の観光スポットとなっています。
台南市街から車で約40分の距離にある烏山頭ダム。高速道路でのアクセスの場合、烏山頭ICが最寄りとなります。台湾鉄道の善化駅、隆田駅、新營駅からバスが運行されています。入口がこちら。テーマパークのような雰囲気の入口です。ここで入場料金を支払います。入場料は大人200元です。敷地内は広く、車での移動が便利です。
敷地内にはダム建設やダム運営に関する施設が並んでおり、それぞれに駐車場が用意されています。ここはダムの水を放水する施設です。日本統治時代の台湾高校が甲子園に出場して決勝まで進み活躍した実話を描いた映画「KANO」のロケ地としても使用されました。八田さんは1942年に船でフィリピンで向かう途中にアメリカの潜水艦の攻撃により亡くなりました。妻の外代樹さんは夫のあとを追い、1945年9月にこの放水口に身を投げてこの世を去りました。
放水施設のすぐ近くにある平圧塔。煙突状の形で高さは5.8m。放水口の水門の開閉の瞬間に送水管内の圧力を軽減させ、送水管内の水圧を安定させる役割を果たしています。
こちらは天壇。1977年に完成した建物で、中国の北京にある天壇と同じ外観ですが、サイズは6分の1。地下1階地上4階建て。内部には八田さんやダムに関する資料が展示されています。
ベルギー製の機関車。ダム建設の際に、機材や資材の運搬に利用されました。メンテナンスされ展示されています。
こちらが烏山頭ダム。上から眺めると緑色の珊瑚のように見えることから「珊瑚潭」とも呼ばれています。また、八田與一さんにちなみ「八田ダム」と呼ばれることもあります。
遊覧船が毎日運行され、水上からダムを眺められます。
八田さんの功績を称え、現地の農民達が出資して八田さんの銅像が作られました。作業着を着て、右手をこめかみに当て、左手を足の上に置いて、どのようなダムを建設するかを考える様子を再現しています。銅像の後ろには八田夫妻のお墓があります。八田さんの命日、5月8日には毎年慰霊祭が開催されています。
八田與一紀念公園には木造の建物が4棟あります。これらは当時、八田さん達が住んでいた住居を再現したものです。昔の日本が感じられ、日本人の方は懐かしい気持ちになるのではないでしょうか。
烏山頭ダム周辺の道路は「八田路」と命名されています。日本人の方の名前が台湾の地図に刻まれている。日本と台湾のつながりを感じます。日本人の方に是非足を運んでほしい烏山頭ダム。見どころが多いので、十分時間を確保して訪れてください。
INFORMATIONスポット情報
住所 | 台南市官田區(地図はコチラ) |
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電話番号 | +88666982103 |
営業時間 | |
定休日 |
台湾の新北に住んでいる芷伶です。名前の発音は難しいですが「zhǐ líng(ジーリン)」と呼びます(๑˃▽˂๑)澎湖の大学に通っていたので、4年間住んでいた澎湖はお気に入りの場所です。日本が好きで東京や箱根、岡山、熊本などに行ったことがあります。そんな日本のみなさんにオススメの台湾スポットをご紹介します (*´∀`*)
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